表を取り込むと行が足りない・途中で欠ける原因
このガイドは TableHarvest を作っている Quillfold が公開しています。
楽天やメーカーの商品一覧、自治体の統計、社内の管理画面。Web の表を Excel に取り込んだら、画面で見ていたより行が少ない。「全57件」と書いてあるのに 10 行しかない、というはっきりした場合もあれば、数百行あるうちの後ろのほうが抜けていて、あとで気づく場合もあります。
原因はほぼ次の 4 つです。どれに当たるかはブラウザだけで確かめられ、直し方は原因ごとに違います。
まず「何行あるはずか」を確かめる
ツールを変える前に、比べる数字を手に入れます。
- 表の近くに総件数がないか探します。「全 57 件」「57件中 1-10件」「1〜20 / 345」「Showing 1 to 10 of 57 entries」などです。
- 表計算ソフトのようなグリッドの場合、ページの中に行数が書かれていることがあります。行を右クリックして「検証」を選び、
role="grid"の要素にaria-rowcountがあるか見ます。この数には見出しの行も含まれます。 - 総件数がどこにもないときは、いちばん下までスクロールしたときの最初と最後の行を控えておき、取り込んだ結果に両方あるかを確かめます。
比べる数字がなければ、全部取れたのか欠けているのかは判断できません。以下の確認はすべてこの数字が前提です。
原因 1:残りの行が別のページにある
10 件、20 件、50 件ずつ表示され、「次へ」やページ番号、「もっと見る」ボタンがある表です。2 ページ目以降の行は、いま開いているページの中には存在しません。サイトは求められたときに初めて次の分を送ります。無限スクロールも同じ仕組みで、ボタンの代わりに下までスクロールしたときに次の分が届きます。
「このページの表」を読む方法 ── 選択してコピー、Excel の「Web から」、Google スプレッドシートの IMPORTHTML、拡張機能のいちばん簡単な使い方 ── では、読み込まれている分しか取れません。
確かめ方: 表の近くの総件数が画面の行数より多い。または、下までスクロールするとスクロールバーが短くなる。
手での対処:
- 「表示件数」の設定(「100 件ずつ表示」など)があれば、いちばん大きい値にします。
- サイト自身の「CSV ダウンロード」「エクスポート」ボタンを探します。あれば、それを使ってください。たいていいちばん完全で確実で、ほかの道具は要りません。
- ページを移るとアドレスが変わる(
?page=2など)なら、どの方法でも 1 ページずつ読み込めます。次のページに進まない・1 ページ目しか取れないをご覧ください。
原因 2:見えている行しか描画しないグリッド
AG Grid などの大きなデータグリッドや、多くの管理画面の一覧は、画面に収まる分の行だけをページに置き、スクロールに合わせて同じ数十行の中身を入れ替えます。「1,000 行」と表示されていても、その瞬間にページにあるのは 30 行ほどです。
確かめ方: 行を右クリックして「検証」を開きます。aria-rowcount="1000" なのに role="row" の要素が数十個しかなければ、このタイプです。速くスクロールすると一瞬空白の行が見えるのも目印です。
選択してコピーすると、その瞬間にある行だけが取れます。ページを 1 回だけ読む道具も同じです。
手での対処: 1 画面ずつスクロールしてはコピーし、重なりを消します。数百行までなら現実的ですが、それ以上は間違いが起きやすくなります。グリッドに自前のエクスポートボタンがあれば、そちらを使ってください。
原因 3:道具が読んだあとに行が届く
ページ本体より少し遅れて表を読み込んだり、何回かに分けて行を埋めたりするページがあります。「読み込みが終わった」時点でページを読む道具は、行が届く前に読んでしまうことがあります。
確かめ方: ページを再読み込みして様子を見ます。くるくる回るマークや少しの間のあとで表が出るなら、これに当たる可能性があります。
Microsoft は Power Query の Web コネクタについて、このことを英語のドキュメントで明記しています。「Pages that load their content dynamically can sometimes be inconsistent since the content can change after the browser considers loading complete.」(Troubleshooting the Power Query Web connector、2025年12月1日更新、2026年10月7日に確認)
原因 4:ページの中で行が隠れている
折りたたまれたグループ、絞り込み表示、表の中の「さらに表示」。行がページの中にはあっても、隠れていることがあります。隠れた行を含めるか外すかは道具によって違います。
確かめ方: 取り込む前にサイト側でグループをすべて開き、絞り込みを解除してから、もう一度件数を比べます。
方法ごとにできること(2026年10月時点)
| 方法 | ページ送り・もっと見る・無限スクロール | 見えている行しか描画しないグリッド | 欠けていると教えてくれるか |
|---|---|---|---|
| 選択してコピー | 1 ページずつ | 画面に出ている行だけ | いいえ |
| Excel「データ」→「Web から」 | 1 クエリ 1 アドレス。ページは自分で結合(後述) | Microsoft の説明なし | いいえ |
| Google スプレッドシート IMPORTHTML | 1 数式 1 アドレス | Google の説明なし | いいえ |
| Instant Data Scraper | 掲載情報にページ送り(ボタンやリンクで次へ)と無限スクロールの記載あり | 記載なし | 記載なし |
| Table Capture | 複数ページとスクロールで読み込まれる表は有料版の機能として記載。無料版の書き出しは「up to 250 rows」と記載 | 記載なし | 記載なし |
| TableHarvest | 次へ・ページ番号・もっと見る・無限スクロール(無料プランは 1 回 3 ページまで) | あり | あり |
根拠は末尾にまとめています。「記載なし」は、2026年10月7日時点で掲載情報や説明に見当たらなかったという意味で、場合によっては動くこともあります。
Excel と Google スプレッドシート
Excel の「Web から」と Google スプレッドシートの IMPORTHTML は、どちらも 1 つのアドレスを読みます。ページごとにアドレスがあるなら、各ページを読み込んで縦につなげられます。Excel では Power Query の「クエリの追加」を使います(Microsoft Learn「クエリの追加」、2026年4月8日更新)。Google スプレッドシートでは、ページごとに数式を 1 つずつ書きます。Power Query で自動的にページをたどる方法についての Microsoft の説明は、独自のコネクタを作る開発者向けで、Excel の画面から使うものではありません。「次へ」を押してもアドレスが変わらないなら、どちらの方法でも 2 ページ目には届きません。詳しくは Excel の「Web から」で表が取れないときと IMPORTHTML が動かない・違う表を取るときへ。
拡張機能
よく使われている 2 つの拡張機能の掲載情報には、2026年10月7日時点で次のように書かれています。
- Instant Data Scraper(利用者 100 万人、バージョン 1.7.1、2026年8月23日更新):「Support for pagination on websites」「Automatic navigation to next page via buttons or links」「Support for infinite scrolling」「Detecting when dynamic data has loaded」。無料です。件数の照合や、見えている行しか描画しないグリッドへの対応は掲載情報に見当たりませんでした。
- Table Capture(利用者 20 万人、バージョン 11.0.44、2026年9月28日更新):無料版の項目に「Exports of up to 250 rows」とあります。複数ページの表とスクロールで読み込まれる表は有料版の項目です。無料版で書き出しが 250 行で止まるなら、それは掲載どおりの上限で、不具合ではありません。
拡張機能どうしの違いと、相手のほうが向いている場合は「Instant Data Scraper と TableHarvest の違い・使い分け」にまとめています。
TableHarvest でできること
TableHarvest は私たちの拡張機能です。現時点の動作は次のとおりです(自動テストで確認しているほか、2026年10月6日に公開サイトでも確かめています)。
- 件数の照合: 表の近くにある総件数(「全 57 件」「57件中 1-10件」「Showing 1 to 10 of 57 entries」、中国語の「共 57 条」、韓国語の「총 57건」、グリッドの
aria-rowcountなど)を読み、取り込んだ行数と照合します。一致しているか、何行足りないかをパネルに表示します。 - ページ送り: 「次へ」、ページ番号、「もっと見る」、無限スクロールをたどります。無料プランでは 1 回の取り込みで 3 ページまでで、上限で止まったときはそう表示し、そこまで取り込んだ行はそのままダウンロードできます。Pro ではページ数の制限がなくなります。
- 見えている行しか描画しないグリッド: グリッドを少しずつスクロールし、行番号で突き合わせながら集めます。テストした範囲では抜けや重複は出ていません。2026年10月6日の確認では、AG Grid のデモページで 1,000 行中 1,000 行を取り込みました。これは無料プランでも使えます。
- 止まった理由: 途中で止まったとき(「次へ」が見つからない、ページが変わらない、時間切れ、無料プランの上限)は、どの理由かと次に試すことを表示します。
- 記録が残る: XLSX で書き出すと「レポート」シートが付き、取り込み元のアドレス、日時、ページ数と行数、件数照合の結果が残ります。
<canvas> に描かれた表、closed な Shadow DOM の中、別サイトの iframe の中は読めません。
これが要らない場合
- サイトにダウンロードやエクスポートのボタンがある:それを使ってください。
- 統計などで、データが CSV や API で公開されている:そのファイルを使ってください。Google スプレッドシートなら
IMPORTDATA(url)で CSV のアドレスを読み込めます。 - 表が 1 ページに収まっていて、照合する総件数もない:選択してコピー、または Windows 版 Excel の「Web から」で足ります。
根拠
2026年10月7日に確認。